はじめに:この記事を書く理由
「ファロー四徴症」。
初めてこの病名を聞いたとき、私は頭が真っ白になりました。
それから毎晩のように検索して、病気の情報や手術の流れ、子育ての注意点を探しましたが、実際に子どもを育てている親の声が圧倒的に少ないことに気づきました。
この記事では、私たちがファロー四徴症と診断された息子と向き合ってきた日々をまとめています。
同じ病気を持つお子さんを育てている方が少しでも不安を和らげられるように、そして、世の中の人がこの病気を少しでも知ってくれたらという思いを込めて書きました。
ファロー四徴症とは?(簡単に解説)
ファロー四徴症とは、4つの心臓の異常が同時に起こる先天性心疾患です。
これにより体に十分な酸素が送れず、「チアノーゼ(唇や指先が紫色になる)」が出ることがあります。
多くの場合、手術で改善を図ります。
こちらのサイトで詳しい説明が書いてあります↓
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4741
診断から手術まで|私たちの体験談
息子は妊娠後すぐにファロー四徴症と診断されました。
はじめに通っていた病院での妊婦健診で、「お子さんの心臓がおかしいです」と言われ大学病院を紹介してもらいました。
正直、まだ心臓ができてまもないお豆ちゃんだった息子の時に分かるものなんだと感心したのを覚えています。
そして、大学病院での妊婦健診が始まり、心エコーという機械で心臓の動きを確認してもらいます。
通常は生まれてすぐに「シャント手術」を行いますが、比較的大きく安定して生まれたため、まずは様子を見ることになりました。
6ヶ月検診の際にチアノーゼがひどくなっているようで、緊急入院をすることになりました。
本当はあと数日後に入院予定だったので、心の準備ができていない状態でした。
ましては、大学病院なので患者さんが多く、親の付き添い入院もできませんでした。
その帰りは、息子が緊急入院してしまった寂しさや不安から、車の中で泣きながら帰りました。
生後6ヶ月で心内修復術を行いましたが、人工の肺動脈弁はまだ入れていません。成長に合わせて弁が大きくなれば、再手術をしなくても良くなる可能性があるからです。
泣かせないようにという緊張感
医師からは「泣くとチアノーゼが出やすくなるので、できるだけ泣かせないように」と言われ、毎日気が抜けませんでした。
お腹が空いても、眠くても泣く。それを必死に抱っこでなだめていた日々。本人も苦しいのに泣いて、それがまた苦しさを増す…。とてもつらい時間でした。
でも手術後、チアノーゼの症状は劇的に軽減。本人も楽になったのか、以前より泣くことが減り、親としても大きな安心を感じました。
周囲の理解が得られなかったこと
この病気のつらさの一つは、外見では分からないことです。
「抱っこしすぎじゃない?」「抱っこ癖がつくよ」
そんな言葉に、何度も胸が苦しくなりました。
見えない苦しみは、なかなか理解してもらえない。でも私たち親は、我が子を守るために日々戦っているということを知ってほしいです。
同じように悩むご家族へ伝えたいこと
「泣かせてはいけない」と言われるプレッシャーはとても大きいです。
でも、その期間は本当にあっという間に過ぎます。その先には、笑って、元気に育っていくお子さんがいます。
「抱っこしすぎはよくない」という意見もあるかもしれませんが、今は泣き止むならたくさん抱っこしてあげてください。
今しかできない抱っこ。お子さんにとっても親にとっても、かけがえのない時間です。
世の中の人に知ってほしいこと
ファロー四徴症のような先天性心疾患を持つ子は、外からは分からない症状を抱えていることがあります。
- 疲れやすい
- 息切れしやすい
- 激しい運動ができない
それでも普通の子と同じように遊びたい、笑いたいという気持ちは変わりません。
もし、あなたの身近にそういう子がいたら、その子のペースを尊重してあげてください。
それだけで、その子もご家族も救われると思います。
まとめ|病気とともに育つ、強くて優しいわが子へ
ファロー四徴症という診断を受けてから、私たち家族にはたくさんの不安がありました。
でも、病気があるからこそ学べたこと、気づけた優しさ、我が子の強さ。
すべてが私たちにとっての宝物です。
この記録が、誰かの不安を少しでも和らげ、
そしてファロー四徴症という病気がもっと広く理解されるきっかけになればと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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